SIMフリースマートフォンにFeliCa(おサイフケータイ)が搭載されている機種は非常に少なく選択肢が限られています。
その1つの理由として、FeliCaを搭載してしまうとグローバルモデルから価格が1万円上乗せになってしまう為、という1つの通説が知られています。
しかしOPPO Japanの社長を務められているトウ・ウシン社長が受けた「Reno A」のインタビューの中で、この通説を否定するコメントを残しています。
1万円上乗せ説に対し「だまされているのでは」
12月18日「ITmedia」がOPPO Japanの代表取締役社長である、トウ・ウシン氏に対し、今年10月に発売された、おサイフケータイ対応SIMフリースマートフォン「OPPO Reno A」などについてインタビューを実施した内容を公開しました。
その中でFeliCaの搭載に伴うコストの向上について以下のように答えられています。
―― FeliCaを搭載するとグローバル版から1万円ほど高くなるという話も聞いたことがあります。
トウ氏 それはだまされているのではないでしょうか(笑)。生産量に合わせて、コストの考え方は当然変わります。1年に1.5億台出荷しているメーカーと、300万台のメーカーだと、実際にコストも変わってきます。
引用元 : おサイフ+防水対応で3万円台 「OPPO Reno A」はなぜここまで安い? トウ社長に聞く:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(1/2 ページ) - ITmedia Mobile
これまで囁かれていた「1万円上乗せ」を『だまされているのではないか』と通説を否定した回答をされています。
回答から読み取るに、OPPO程の規模を有するメーカーであれば搭載する事自体に大きなコストが発生しない事を意味します。
通説の始まりは「Motorola」から
この1万円上乗せ説は一体どこから出てきたのか、それはOPPOと同じくスマートフォンを手掛けている「モトローラ」です。
2019年7月8日に同じく「ITmedia」のインタビューにおいて、モトローラ・モビリティ・ジャパンの社長を務める、ダニー・アダモポウロス社長がFeliCa対応について以下の回答を残されています。
NFCだと2ドル、3ドル程度で済みますが、FeliCaだと1台1万円の上乗せになってしまうんです。そこまでして、どうしてもFeliCaを乗せようとは考えていません。使わない8割の人にとっては、お金がかかりすぎるのはよくないですからね。
引用 : 「1カ月分が1週間で売れた」 モトローラの「moto g7」シリーズが好調の理由:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/3 ページ) - ITmedia Mobile
この取材におけるMotorola社長の回答が1万円上乗せ説の出どころとなったと見られています。
もちろん同社にとっては大きくコストの掛かるポイントであって、このような回答がなされた可能性が考えられます。
確かなのはOPPOがFeliCaを採用するに伴って必要となるコストは、モトローラとは異なっており、オッポの場合1万円以下であるということでしょう。
SIMフリースマホでおサイフケータイはまだまだ希少
メーカーの規模によっては、コストが大きくかからない事が明らかになりましたが、現状SIMフリースマホでFeliCaを搭載する機種は多くなく、海外メーカーで積極的に搭載する意向を見せているのは2019年12月時点でほぼOPPOのみです。
OPPOより先に日本市場に参入し、SIMフリースマホで幅広いシェアを獲得しているファーウェイ・ジャパン(Huawei)さえも、SIMフリー端末におサイフケータイを搭載した事はありません。
2019年12月にはXiaomiも日本市場に参入していますが、各社がOPPO Japanの『OPPO Reno A』のように積極的にFeliCaへの対応を検討し、国内利用者の選択肢を増やしてほしいところです。
関連情報 : 「OPPO Reno A」にオッポは10億円以上掛かっていた事が語られる
情報元 : ITmedia